赤ワインに多く含まれていることで有名な「ポリフェノール」
様々な健康・美容効果が確認され、現在では多くの医薬品や健康食品、サプリメントなどに配合されています。
ですが、ポリフェノールの性質を理解していないと、せっかく摂取したポリフェノールも意味がなくなってしまいます。今回は、ポリフェノールの上手な摂取の仕方をご紹介します。
目次
ポリフェノールとは
ポリフェノールってなに?
ポリフェノールとは、植物の樹皮や種などに含まれる「にがみ」や「しぶみ」「色」の成分のことです。植物はポリフェノールの「にがみ」や「しぶみ」によって「食べてもマズイよ!」と、虫などに食べられるのを防いでいると考えられています。
ポリフェノールは、現在分かっているだけでも5,000〜8,000種類存在すると言われていて、私たちが体内に取り入れることで、動脈硬化の予防や美肌、美白効果など、さまざまな健康・美容効果を得ることができることはよく知られています。
「良薬口ににがし」
という言葉は「ためになる忠告は素直に受け入れにくい」という意味で使われますが、「よく効く薬はにがい」ということから意味が転じた言葉です。
ポリフェノールの特徴
ポリフェノールは、非常によく水に溶けやすいという性質があります。
この性質は、身体に吸収されやすい反面、すぐに排出されてしまうことも意味しています。
ポリフェノールは長く身体にとどまらないため、健康・美容効果を最大限に得るためには、3〜4時間おきに摂取することが望ましいということになります。
「1日1回、サプリメントを飲んだからオッケー!」と言うわけではなく、3〜4時間おきに食事や飲み物で補ってあげることで、より高い効果を得ることができます。
飲み物でポリフェノールを摂取する
ポリフェノールを多く含む飲み物
3〜4時間おきにポリフェノールを摂取する場合、「飲み物」で摂取するのが最も簡単な方法ですよね。では、ポリフェノールはどのような飲み物に多く含まれているのでしょうか?
それぞれの飲み物100ml中に含まれるポリフェノールの量を比較したランキングです。
飲み物に含まれるポリフェノールの特徴
赤ワイン
赤ワインに多く含まれているアントシアニンというポリフェノールには、肝機能、心臓病、認知症の予防に効果があると言われています。
抹茶・緑茶
抹茶や緑茶に多く含まれているカテキンというポリフェノールには、コレステロールの減少や血糖値の正常化に効果があると言われています。
茶葉から抽出する緑茶の場合、ポリフェノールの一部しか抽出されません。茶葉自体を粉にして飲む抹茶の方がポリフェノールの含有量が多いのはそのためです。
コーヒー
コーヒーに多く含まれているコーヒークロロゲン酸というポリフェノールには、抗ガン作用に加え、脂肪燃焼や代謝アップの効果があると言われています。
ココア
ココアに多く含まれているカカオマスというポリフェノールには、疲労回復やストレスの軽減、ピロリ菌の除去効果があると言われています。
1位は誰もが知っているであろう「赤ワイン」、2位が「抹茶」になっています。ですが、3〜4時間おきにお酒を飲むわけにもいきませんし、抹茶も気軽に飲めるわけではありませんよね。
ここで注目したいのが、3位のコーヒーです。
手軽に飲むことができ、100ml中に含まれるポリフェノールの量も200mgと、4位の緑茶の倍近く含有しています。
1日2杯のコーヒーでお肌のシミ予防
ポリフェノール研究の第一人者である近藤和雄医学博士の研究によると、コーヒーを飲んでいる女性の方が、コーヒーを飲まない女性よりもシミが少ない傾向にあるそうです。
30代〜60代の健康な女性131人のお肌を調査した結果、1日のコーヒーの摂取量と顔のシミには、下のグラフのような相関関係を見ることができます。
飲み過ぎには注意!
ただし、コーヒーに含まれるカフェインには、利尿作用があります。
尿の回数が増えることは、不要になった老廃物を排出できるという身体に良い作用もあるのですが、回数が増えすぎるとお肌に必要なミネラル、ビタミンなども排出してしまうため、逆にお肌に悪い影響が出てしまう可能性があります。
目安として、1日2〜3杯 までが適量と言えるでしょう。
また、カフェインには交感神経の働きを活発化させる作用もありますので、寝る前に飲むと寝つきが悪くなったり睡眠の質が悪くなってしまいます。個人差もありますが、コーヒーを飲むのは就寝4時間前までにしておきましょう。
食事で手軽にポリフェノールを摂取する方法
ポリフェノールを多く含む野菜
ポリフェノールとは、植物の樹皮や種などに含まれる「にがみ」や「しぶみ」「色」の成分のことです。基本的に、色の濃い野菜にはポリフェノールが多く含まれていると考えて良さそうですが、ポリフェノールはどの野菜に多く含まれているのでしょうか?
この他には、春菊、レタス、ゴボウ、ロメインレタス、サラダ菜、サンチュ、アーティチョークなどのキク科の野菜や、ナス、大豆などがオススメです。
ポリフェノールを効率良く摂取できるレシピ
ポリフェノールには、
- 加熱してもポリフェノールの量や抗酸化活性(老化予防)の効果はあまり変化しない
- 水に溶けやすい
という2つの特徴があります。
このことを踏まえると、
- ポリフェノールを効率良く摂取するためには、煮ても焼いても大丈夫
- 煮汁も一緒に飲める料理が良い
ということになります。
この条件を満たす料理と言えば… カレーライスです!
ポリフェノールを効果的に摂取するにはカレーライスがお勧め!
一般的なカレーライスの材料は、
- 牛肉 or 豚肉 or 鶏肉
- タマネギ
- ジャガイモ
- ニンジン
と「野菜のポリフェノール量ランキング」の上位3つを使い、カレールーに溶け込んだポリフェノールもおいしくいただくことができます。
カレーライスにホウレン草をトッピングして、トマト、レタスなどのサラダを食べれば完璧です。
その他のレシピ
- レタスのスープ
- ゴボウがたくさん入った豚汁
- ピーマンの丸煮
- ナスの煮浸し
- おそば ルチン(抗酸化作用)
- 納豆 イソフラボン(女性ホルモンのバランスを調整、美白)
- 柿 タンニン(抗酸化作用。生活習慣病の予防効果)
便利なちょい足しポリフェノール
ポリフェノールは、できれば毎日しっかりとした量を摂取したいものです。
ですが、
「毎日カレーというわけにもいかない」
「毎日ポリフェノール・レシピを考えるのが面倒臭い」
と言う場合は、「ちょい足しポリフェノール」を用意しておきましょう。
ポリフェノールのスーパー野菜「ホウレン草」
「野菜のポリフェノール量ランキング」第1位のホウレン草には、16種類のポリフェノールが確認されています。
色々な料理にトッピング!「茹でほうれん草」を常備しておきましょう。
ホウレン草の選び方
茎の長さと葉っぱの比率で葉っぱのボリュームが大きいものを選ぶ。
太陽の紫外線をたっぷりと受け、寒暖差のある環境の中でゆっくり育ったホウレン草は、葉っぱが大きく厚くなるため、ポリフェノール量も多くなっていることが期待できます。
茹で方に注意!
ポリフェノールは水に溶けやすいため、茹ですぎは禁物。
- ホウレン草は、茎の硬い部分から茹で始め、時間差で葉っぱもお湯の中へ
- 葉っぱの色が鮮やかに変わったらすぐに冷水(氷水)へ
- 茹で上がったら、適度な大きさに切り分けて冷凍保存
冷凍保存しても、ポリフェノールはほとんど失われないと言われています。
ホウレン草の「ちょい足し」バリエーション
- 解凍してそのまま食べる
- お味噌汁にちょい足し
- 即席ラーメンにちょい足し
- うどんにちょい足し
- 野菜炒めにちょい足し
この他にも、あなたのアイディア次第でポリフェノールをおいしくちょい足しすることができます。
そんなときはホウレン草のちょい足しでポリフェノールをおぎなってあげましょう。
最強ポリフェノール「赤ワイン」は料理でとる
飲み物の中で、一番たくさんポリフェノールが含まれている「最強のポリフェノールドリンク」赤ワインには、色々なポリフェノールが入っています。
赤ワインに含まれるポリフェノールの代表的なものは、
- タンニン 抗酸化活性(老化予防・アンチエイジング)
- アントシアニン 肝機能、心臓病、認知症の予防
現在では、アンチエイジング効果だけでなく、認知症の予防にも効果があるのではないかと、注目されています。
ポリフェノールの力が強いワインの見分け方
5年〜10年熟成した赤ワインの方がポリフェノールの力が強いと言われています。7〜8年前の赤ワインが、最もポリフェノールの力が強くなっていると言われています。
これらの効果を得るためには、赤ワインを「毎日グラスに2杯程度飲むのが良い」とされています。ですがこれでは、お酒に弱い人やお酒が飲めない人、お子さんなどは、赤ワインのポリフェノールの恩恵を受けることができませんよね。
ですが、お料理に赤ワインを使うことで、アルコールが苦手な方やお子さんでも大丈夫!赤ワインのポリフェノールを上手に摂ることができます。
簡単便利な「赤ワインの詰め」
「詰め」とは、あなごやしゃこなどの寿司だねに塗るタレのことです。あなごなどの材料の煮汁を裏ごしして、しょうゆ・みりん・砂糖などで甘辛く調味し、煮詰めてつくります。
「赤ワインの詰め」とは、赤ワインを煮詰めることでポリフェノールを含むエキスを濃縮したものです。
「赤ワインの詰め」の作り方
ポリフェノールは、加熱しても量や抗酸化活性(老化予防)の効果はあまり変化しません。
- 赤ワインを小さなお鍋に入れて、火にかけます。
- 蒸発して1/5くらいになるまで煮詰める
加熱すればアルコールは飛んでしまいますので、この「赤ワインの詰め」を料理に使用しても、酔っ払うことはありません。
また、使用するワインも高いものを使う必要はありません。安いデイリーワインでも、十分にポリフェノールの恩恵を受けることができます。
特にお酒が飲めない人は、ホームパーティなどで友達が持ち寄って飲み残したワインで「赤ワインの詰め」をつくっておくと無駄になりません。
「赤ワインの詰め」のちょい足しバリエーション
元々赤ワインを使うお料理に使えるのはもちろん、レトルトのハンバーグやミートソースも「赤ワインの詰め」をちょい足しすることで高級感が増します。
また、肉じゃがなどの日本食に使ってもよく合いますので、あなたのアイディア次第で、ポリフェノールの恩恵も受けながらお料理のレパートリーも増えて、一石二鳥です!
ホウレン草と赤ワインのちょい足しアイテムで、ポリフェノールを手軽においしく摂取することができます。ぜひ試してみてくださいねっ!