スキンケアにとって大切なことは、あなたの肌質を知って、自分の肌質に合ったケアをすること。一般によく言われているのは「普通肌・乾燥肌・脂性肌・混合肌」の4つに敏感肌を加えた5つの分類でしょうか。ですが、この5つの分類の中から、自分の肌質を調べて基礎化粧品を選んでいるだけでは、実は十分なケアとは言えません。あなたの肌質について知っておくべき基礎知識をご紹介します。
スキンケアと肌質(肌タイプ)
スキンケアとは、直訳すると「お肌のお手入れ」ですよね。そして、お手入れとは「よい状態を保つために、整備・補修などをすること」です。当然、よい状態を保つために行うお手入れの方法は、問題点の内容によって違ってきます。これが、スキンケアをする上で、自分の肌質を理解することが大切な理由です。
逆に言うと、自分の肌質に合っていないスキンケアをすることは、かえってお肌の状態を悪くしてしまうこともあるということです。
それではまず、自分に合った基礎化粧品を見つけるために、自分の肌質を確認してみましょう。
肌質の種類
肌質の種類
肌質にはお肌の保湿能力と脂質量をもとに、大きく分けて「普通肌・乾燥肌・脂性肌・混合肌」の4つの肌質と「敏感肌」があります。
普通肌
脂質量(皮脂量)と水分量のバランスがとれているお肌の状態です。お肌がもともと持っている自浄作用が十分に働いていますので、他の肌質よりもニキビなどの肌トラブルが起こりにくい一番理想的な肌質です。ノーマル肌と呼ばれることもあります。
脂性肌
皮脂量も水分量も多いお肌の状態です。額や鼻を中心に顔全体が脂っぽく、お肌のキメが荒めで毛穴が大きいため、化粧崩れが目立ったり、ニキビなどの肌トラブルが起こりやすい肌質です。ギトギト肌・オイリー肌と呼ばれることもあります。
乾燥肌
皮脂量も水分量も少ないお肌の状態です。お肌がカサカサしてツヤがなく、水分が蒸発しやすいのが特徴です。小じわができやすいだけでなく、外部からの菌や刺激に弱く敏感肌になりやすい肌質です。
混合肌(脂性乾燥肌・乾燥性脂性肌)
カサカサしていたり脂っぽかったり、顔の部分によって肌質が違うお肌の状態です。基本的にはお肌が乾燥しているため、たくさんの皮脂を分泌してお肌を守ろうとしている状態です。インナードライ肌と呼ばれることもあります。
敏感肌
敏感肌は、刺激を防ぐバリア機能を持つ皮脂膜が不足しているため、紫外線や細菌、アレルゲンなどの刺激に弱く、すぐに反応してしまう状態です。肌質として分類されるものではなく、どの肌質にも現れる可能性がある症状で、特に乾燥肌は敏感肌になりやすい肌質です。
肌質の調べ方
それぞれの肌質の特徴を理解すると、同じケア方法ではお肌に良くないことは想像できますよね。
それでは、あなたの今の肌質がどれに当てはまるのかを診断してみましょう。
ティッシュを使った調べ方
一番簡単な肌質の調べ方に、ティッシュを使った方法があります。そのティッシュがいつ落ちるかで、あなたの肌質を診断することができます。
前日の夜、洗顔料で洗顔をした後、その後の化粧水や美容液、乳液などの行程を行わずに、そのまま就寝します。6時間程度しっかり睡眠を取りましょう。
朝起きてから時間をあけずに、2枚重ねになっているティッシュを2枚に分けて、1枚を額から鼻のTゾーンに、もう1枚を頬に押しつけます。
正面を向いた状態でティッシュが落ちる 乾燥肌
下を向いた状態でティッシュが落ちる 普通肌
下を向いた状態でもティッシュが落ちない 脂性肌
正面または下を向いた状態でどちらか一方のティッシュが落ちる 混合肌
肌質の調べ方 YES/NOチャート
ティッシュを使った肌質の調べ方でよく分からない場合は、下のYES/NOチャートで診断してみましょう。
お肌のターンオーバー
正しいスキンケアをする上で、肌質のほかに気をつけておかなければいけないことがあります。それが「お肌のターンオーバー」です。
ターンオーバーとは
わたしたちのお肌は、表皮の最下層にある基底層から常に新しい細胞が生まれています。そして、古くなったお肌の表面の角質は垢となって剥がれ落ち、新しい角質と入れ替わっています。これをターンオーバーと言います。
私たちのお肌は、約28日間で新しく生まれ変わります。
そして、ターンオーバーが乱れると、細胞の育ち方が不揃いになり、肌理(キメ)が粗いお肌になります。このような状態は、お肌の保湿能力が落ちたり、毛穴が開き皮脂の分泌が増えるなどの様々な悪影響を引き起こします。
スキンケアとは、お肌のターンオーバーを正常にするための行為です。
変化する肌質
では、あなたの肌質が分かった上で、自分の肌質に合った基礎化粧品を使い続けることが、なぜお肌にとって良くないことなのでしょうか。
肌質は変化するもの
肌質とは、一度決まったら二度と変わらない普遍的なものではありません。つまり、あなたが自分の肌質を診断した結果は、今現在の肌質であって、変わることのないあなたの肌質ではありません。
肌質が変化する要因
・年齢(加齢)
・食事内容や運動量、睡眠時間
・生体リズム
・ホルモンバランスの変化
・体温、気温(季節)の変化
・スキンケアの結果(ターンオーバーの改善・悪化)
肌質に合わないケアが招く悪循環
乾燥肌の場合
脂性肌の場合
せっかく改善されたのに、ずっと同じ基礎化粧品を使っていては、また元の肌質に逆戻りしてしまう悪循環に陥ってしまいます。高価な基礎化粧品の使用を途中でやめるのは、もったいないと思うかもしれませんが、肌質の変化に合わせて切り替えていきましょう。