わきが臭の原因は、なんといっても汗。ワキガに悩む本人も、そのことは十分承知していますので、汗をかくことをするのを避けてしまいがちです。ですが、汗をかかないでいると体内の老廃物や「ニオイ物質」が体内に蓄積され、汗のニオイをさらに強くしてしまいます。
わきが臭を軽減するためには、逆に汗をたくさんかくことが大切なのです。わきが体質の方にお勧めの入浴方法をご紹介します。
目次
体臭(汗)を臭くする生活習慣
わきが臭の原因
わきが臭の原因は、脇の下や外耳道、乳首、外陰部などに分布するアポクリン汗腺から分泌するアポクリン汗の成分や皮脂を、皮膚の常在勤が分解するときに出すニオイです。
わきが臭が強くなる原因
アポクリン汗腺
わきが臭を強くする原因には、第一にアポクリン汗腺の数と大きさにあります。アポクリン汗腺の数と大きさは人種や両親からの遺伝の影響が大きく、アポクリン汗腺の数が多く、大きく発達している人の方がわきが臭が強くなる傾向にあります。
ストレスとアポクリン汗腺
毎日の食生活
わたしたちが食べた食べ物は、消化吸収されてエネルギーとして使いやすい形に分解されます。その過程で発生した不要なものや、身体に害のある毒素などは尿や便として排出されます。ですが、毎日の食事が偏っていると、身体は処理しきれずに尿や便として排出されるべき「ニオイ物質」が汗に混じって排出されて、汗が臭くなってしまうのです。
汗をかかないようにしている
わきが臭に悩む方の多くは、体臭を出してしまわないようになるべく汗をかくような運動を控えるようになります。ですが、実はこれは逆効果なのです。
わきが臭の軽減のためには、汗をたくさんかくことがとても有効です。
わきが臭を軽減する入浴方法
間違った入浴方法
お風呂を出たあとは、しばらく汗が止まりませんよね。わきが臭が強いわきが体質の人は、脇の下をどんなにキレイに洗っても、入浴後しばらくするとあのイヤな臭いが漂ってきます。そのため、お風呂上がりになるべく汗をかかないように、湯船につからずにシャワーだけで済ませている方も多いようです。
お風呂で湯船につかっているときは、身体が濡れているために気づきにくいですが、運動したときと同じようにたくさんの汗をかいています。そのため、冬場の寒い時期でも十分な汗をかくことができます。
わきがケアのための入浴方法
わきが臭を軽減するためにたくさんの汗をかきたい。でも、そのために肩まで湯船につかっていては、十分に汗をかく前にすぐにのぼせてしまいますよね。それでは意味がありません。
たくさんの汗をかくためには、全身浴ではなく半身浴がお勧めです。
半身浴の目的は、身体に負担をかけずにゆっくりと身体を温めてたくさんの汗をかき、体内の老廃物や毒素、ニオイ物質などを排出することです。わきが臭軽減のための、効果的に汗をかく半身浴の方法をご紹介します。
半身浴のために必要な準備
1.浴槽にお湯をはる
まず、半身浴のために浴槽にお湯をはります。
お湯の温度の目安:38℃~40℃
湯船のお湯の温度が高すぎると、身体の表面ばかりが先に温まってしまい、身体の芯(内側)までしっかりと暖まる前にのぼせてしまいます。
半身浴には、38℃~40℃の少しぬるいかなと思う温度が最適です。
半身浴に適したお湯の量は?
2.半身浴を始める前にお水を飲む
半身浴をすると、たくさんの汗をかきます。お水を飲まずに半身浴をすると、軽い脱水症状起こしてしまうことがあります。
半身浴を始める大体30分前に、コップ1杯のお水(約200cc)を飲んでおきましょう。冷蔵庫で冷やしたお水よりも、常温のお水がお勧めです。しっかりと汗をかくためにも大切なことですので、忘れずに実践しましょう。
上半身が冷えないための準備
わきが臭軽減のための半身浴の手順
1.かけ湯をする
かけ湯は汚れを落とすための他に、お湯に身体を慣らすためでもあります。浴槽にはったお湯と同じ少しぬるめのお湯で、足先から順にお湯につかるおへその上辺りまでお湯をかけていきます。
お湯につからない上半身にまでお湯をかけてしまうと、気化熱によって体温が奪われてしまうので、半身浴の場合、かけ湯は下半身のみにしておきましょう。
湯船に入るのと身体を洗うのはどっちが先?
2.湯船に入る
おへそから下へのかけ湯が終わったら、いよいよ湯船に入ります。
半身浴の入浴時間の目安:20分~30分
血液が体内を一巡するまでにかかる時間は、約1分間と言われています。下半身で温められた血液が少しずつ身体全体を温めて、十分な発汗量を得られるまでの時間が20分~30分なのです。
ひと工夫加えて半身浴を快適に
また、お風呂をご家族と一緒に使っていてお湯が多い場合などは、100円ショップなどで買える低いイスを浴槽の下に置いて、その上に座ることで、お湯につかる高さを調節することができます。
3.頭と身体を洗う
身体を洗うときは、頭から先に洗い始めて、身体の上から下に向かって洗っていきます。石鹸やボディソープを十分に泡立ててから、やわらかいスポンジやタオルなどで、やさしく撫でるように洗っていましょう。
泡が汚れや余分な皮脂などを吸着してくれますので、お肌に泡を乗せてぬるめのお湯で流すだけで十分にキレイにすることができます。ゴシゴシこする必要はありません。
脇の下とデリケートゾーンの洗い方
こすったり揉み込んだりすると、アポクリン汗腺を刺激してしまいます。
参考記事:毎日のお風呂でニオイ・体臭ケア!お勧めの石けん・ボディソープは?
4.最後に湯船に肩までつかる
最後に湯船に肩までつかる「全身浴」をします。
最初の半身浴で、身体の内側まで十分に温まっていますので、お湯の温度を少し(2℃~3℃)上げて、気持ちが良いと思う程度の時間だけ身体を温めます。このときは汗をかく必要はありませんので、長く入っている必要はありません。
最後に冷たいシャワーでお肌を引き締める
半身浴をした後は
半身浴をした後はたくさん汗をかいていますので、必ずもう一度コップ1杯(約200cc)のお水を飲んでおきましょう。また、半身浴を続けているうちに、汗をたくさんかくようになってきた場合は、半身浴をしながら水分補給をするのも効果的です。
半身浴の効果と注意点
半身浴の様々な効果
体臭やわきが臭を軽減するために効率的に汗をかく入浴方法として、半身浴をご紹介してきましたが、半身浴には女性にとってうれしい効果がまだまだたくさんあります。
- 冷え性の解消
- むくみの解消
- 脂肪の燃焼が早まり痩せやすい身体になる
- 疲労を回復しやすくなる
- 汗をたくさんかくデトックス効果でお肌もキレイになる
- 睡眠の質が良くなる
また、効率的に汗をかく方法は半身浴だけではありません。ゲルマニュウム温浴や岩盤浴、サウナなども、体臭やわきが臭の軽減に効果があるだけでなく、上記の半身浴と同様の効果を期待することができます。お時間やお金に余裕があるときは、自分へのご褒美として岩盤浴やサウナを利用するのも、体臭やわきが臭の軽減にお勧めの方法です。
岩盤浴やサウナでのわきが臭は?
ですが、わきが臭はアポクリン汗が皮膚の常在菌によって分解されることではじめて発生します。岩盤浴やサウナでは、菌が汗を分解する間もなく次々と出てきます。また、皮膚の常在菌が活発に活動できるのは、体温に近い37℃前後と言われています。
岩盤浴やサウナでは、皮膚の常在菌の活動もおとなしくなっていますので、わきが臭が出ることはありません。自分からわきが臭が出てしまうことなど心配せずに、良い汗をたくさんかきましょう。
半身浴をする上での注意点
体臭やわきが臭の軽減だけでなく、たくさんの効果・メリットがある半身浴ですが、正しく行わないと、逆に身体に負担をかけてしまうことになりかねません。半身浴をする上での注意点をご紹介します。
水分を十分に補給する
半身浴でたくさん汗をかく目的は、あくまでも体内の老廃物や毒素、ニオイ物質などを汗と一緒に排出することです。体内の水分を排出することではありません。汗によって失われた水分は、必ず補給してあげましょう。
正しい姿勢を保つ
半身浴でお湯につかっている20分~30分という時間は、意外と長く感じるものです。このときに猫背になっていると、血液の流れが悪くなり発汗効果も少なくなってしまいます。
また、リラックスするために浴槽や浴室の壁にもたれてしまうと、首に負担がかかって首の血流が悪くなってしまいます。浴槽や浴室の壁にもたれるときは、タオルをたたんで壁と頭の隙間に当てて、首に負担がかからないようにしましょう。
上半身が冷えないように注意する
暖かい夏場は心配ないのですが、半身浴をはじめて体が温まるまでは、お湯につかっていない上半身が冷えてしまいます。上半身が濡れると気化熱で体温を奪われてしまいますので、上半身が濡れないように注意しながら、乾いたタオルを肩にかけて上半身が冷えてしまうのを防ぎましょう。
また、湯船のお湯が冷めてきと感じたら、足し湯や追い炊きをして温度を38℃~40℃になるように調整することも大切です。
次のようなときは入浴を控えましょう
- 食事をした直後(入浴は食後1時間以上経ってから)
- 風邪のひきはじめ
- 経血が多い日
- 打ち身や捻挫、ギックリ腰のとき
わきが臭の軽減のための体質改善には、半身浴に限らずじっくりと時間をかけて継続することが大切です。
わきが臭を軽減する体質改善のためには、次の記事も参考になります。
参考記事:わきがの症状の強さ別の効果的な対処方法