最近テレビや雑誌などで糖質制限ダイエット(ローカーボ)が頻繁に特集され、関連書籍もたくさん出版されていますよね。
ですが、糖質制限の肯定派と否定派の意見、どちらも納得できてしまって「結局どうなの?」って思っていませんか?
糖質制限ダイエットを成功させるために、もう一度基本的なところから分かりやすく確認してみましょう。
注目されている糖質制限ダイエット
注目されている理由
一般に理解されている糖質制限ダイエットを簡単に説明すると「炭水化物(糖質)の摂取を減らすだけでダイエット効果が得られる」というものです。
糖質さえ制限していれば、他のものはお腹いっぱい食べることができ、過酷な運動をする必要がなく、お酒も飲めるという手軽さが人気の理由です。
糖質制限ダイエットに関するアンケート結果
全国の10代〜90代の男女2,210人に対して行われたインターネット調査の結果によると「糖質制限ダイエットをしたことがある」と答えた方は全体の54%。2人に1人以上が糖質制限ダイエットを経験しています。
ですが、人気がある割には、効果を実感している方は65%と微妙な割合です。これは、糖質制限ダイエットの方法を、正しく理解していないからだと言えるでしょう。
間違った糖質制限ダイエットは、大きなデメリットを被ることがあります。
糖質とは
糖質制限ダイエットは、お米やパンなどをはじめとする炭水化物の摂取を制限します。そのため、炭水化物抜きダイエットとも呼ばれています。
炭水化物は、私たちの生命維持に欠かすことのできない3大栄養素のうちの1つです。
炭水化物は、さらに糖質と食物繊維に分けられます。炭水化物を制限することで糖質を制限していることになるのです。もちろん、砂糖などの糖類も糖質に含まれます。
また、炭水化物を構成する一方の食物繊維には、腸内環境を整える働きやコレステロール値を下げる働きなど、身体のために重要な働きがあります。
炭水化物を制限すると食物繊維が不足します。別の食材から摂りましょう。
糖質制限ダイエットのメカニズム
では、なぜ糖質を制限することでダイエット効果があるのでしょうか。そのメカニズムを見てみましょう。
脂肪をつくらせない
炭水化物は、消化吸収されると血中でブドウ糖となります。そして、血糖値が上昇するとすい臓からインスリンが分泌されます。
インスリンは、血中のブドウ糖をエネルギー源として身体の各細胞に運ぶほか、非常用にその一部を肝臓にグリコーゲンとして貯蔵し、残りを中性脂肪として脂肪細胞に貯蔵します。
糖質を制限することで、食事による急激な血糖値の上昇を防ぐことができます。これによって、インスリンが基礎分泌以上に分泌されることがなくなります。
インスリンの分泌を抑えることで中性脂肪が新しくつくられなくなります。
脂肪を燃焼させる
食事によって糖質が補給されない状態が続くと、血中のブドウ糖が不足してきます。そのような場合、まず血糖値を一定に保つために、肝臓に蓄えられたグリコーゲンがブドウ糖に分解されます。そして、それでも足りないときに行われるのが、糖新生というシステムです。
糖新生は、身体に蓄えられた中性脂肪をブドウ糖の代替エネルギーとして用いることができる、ケトン体に分解します。つまり、この糖新生によって脂肪を燃焼することができるのです。
失敗しないためには、糖新生の仕組みを正しく理解する必要があります。
糖新生とは
糖新生の原料は筋肉
糖新生において原料として優先的に使われるのは、タンパク質を分解して精製される糖原性アミノ酸です。食事から摂取・吸収されるものがあればそれを使いますが、足りなければ筋肉を原料に使います。そして、この糖新生のために使われるエネルギー源として中性脂肪が使われます。
筋肉から脂肪へ
糖新生の原料として優先的に使われるのは糖原性アミノ酸(筋肉)ですが、生命維持のためには一定量保持しておかなければいけません。血糖値が少ない状態が続くと、身体は筋肉から脂肪の分解を中心にするように切り替えます。
脂肪から分解されるケトン体は、脳の唯一の代替エネルギーとなります。
よくある失敗例
効果が感じられない
炭水化物、お米やパン、めん類などを控えているのに、いっこうに体重が減らないという場合は、気づかないうちに糖質を摂取してしまっていることがあります。特に、野菜に含まれる糖質には注意が必要です。
糖質を多く含む野菜には次のようなものがあります。カッコ内は100g中の糖質量
体調が悪くなった
急激な糖質制限や、糖質を全く摂取せず完全に制限してしまうと、集中力の低下や眠気、頭痛、けいれんなどの低血糖症の症状や、筋力の低下などを起こすことがあります。
意志が強い人に多いのが、糖質を徹底的に制限してしまうことによる体調悪化による失敗です。糖質制限をしている場合に置いても、1日最低100gの糖質の摂取は必要になります。130g程度の摂取を目安にしましょう。
失敗しないためには
では、糖質制限ダイエットを失敗しないためには、どのようにすれば良いのでしょうか。
たんぱく質と脂質を十分に摂取する
糖質制限ダイエットは、単に糖質を制限するのではなく、減らした糖質の分のカロリーを、たんぱく質と脂肪に置き換えることが大切です。1日に必要なカロリーはしっかりと摂取します。
1日に必要なカロリーの求め方
あなたの活動レベルから運動量別カロリー基準値を求めます。
活動レベル「低い」
運動量別カロリー基準値……25~30
《一般事務、技術者、幼児のいない主婦》……あまり動かない人。睡眠8時間、座っている時間13~14時間、ゆっくりした歩行や作業などが1~2時間、普通歩行などが1時間程度。活動レベル「普通」
運動量別カロリー基準値……30~35
《製造業、サービス業、幼児のいる主婦》……仕事を持つ人等。睡眠7から8時間、座っている時間11~12時間、ゆっくりした歩行や作業などが3時間、普通歩行などが2時間程度。活動レベル「高い」
運動量別カロリー基準値……35~40
《農業、漁業、建設作業》……運動量の多い仕事、スポーツを定期的に行っている人。睡眠7時間、座っている時間10時間、ゆっくりした歩行や作業などが3~4時間、普通歩行などが3時間程度、休憩が必要な強さの運動などが1時間。
体重 × 運動量別カロリー基準値 = 1日に必要なカロリー
例)体重55kg、活動レベル「低い」の場合:55 × 25 〜 30 = 1,375kcal 〜 1,650kcal
主食以外の糖質にも注意する
炭水化物を多く含んでいるのは、お米やパン、めん類などの主食となる食材です。ですが、主食の量を制限してもなかなか結果が出ない場合は、他のメニューに糖質が多く含まれている可能性があります。もう一度メニューを見直してみましょう。
身体を徐々に慣らす
一般に女性は1日に300g~400gの糖質を摂取していると言われています。糖質制限ダイエットでは、これを150g~200gに制限をします。
ですが、もともと身体の非常事態に対応する機能を利用する糖質制限ダイエットですから、急激な糖質制限をすると身体に不調が出る可能性があります。徐々に摂取する糖質の量を減らしていき、時間をかけながら目標の量に近づけましょう。
筋肉トレーニングを取り入れる
糖質制限ダイエットは、その性質上筋肉量が落ちることが考えられます。筋肉量が落ちると基礎代謝量も落ちますので、糖質制限をやめた後にリバウンドしやすい身体になってしまいます。
筋肉トレーニングで基礎代謝量を増やして痩せやすい身体を作りましょう。
糖質制限をやめるときは徐々に戻す
糖質制限ダイエットをしているときは、身体は飢餓状態であると認識して非常エネルギーである脂肪をエネルギーとして使っています。
そのような状態で急激に糖質の量を元に戻すと、身体は一時的なものだと判断して、その糖をエネルギーとして使うのではなく、脂肪として蓄えてしまいます。つまり、リバウンドです。
糖質制限をやめるときは徐々に身体を慣らしながら糖質量を戻しましょう。
ですが、結果を急ぐあまり急激な糖質制限をしてしまうと、身体に不調が起こってドクターストップになってしまうことも。また、長期間の糖質制限による身体への影響には諸説あり、まだ医学的に解明されていません。なによりも無理をしないことが大切です。
テレビCMで有名な「ライザップ」も糖質制限を取り入れています。
テレビCMでお馴染みのライザップは、専門の管理栄養士とトレーナーの指導の下、適切な食事管理(糖質制限)とトレーニングで結果にコミットしているんですね!
ライザップの詳細はこちら!