わきが臭や足のニオイ、頭皮臭や口臭も含めた、わたしたちの体臭の主な原因は、汗や皮脂などの体内からの分泌物によるものです。
そして、それらの分泌物の成分の割合は、普段の食事によって変化することが知られています。つまり、普段の食事を変えるだけで、汗の成分や皮脂の分泌を抑え、ニオイを出しにくい身体にすることができるのです。体臭・わきが臭を強くする食事と軽減する食事をご紹介します。
食事と体臭・ワキガの関係
普段の食生活と体臭の関係
わたしたちの身体は、主に毎日の食事から生きていくために必要な栄養分を摂取します。そして、それらの栄養分は消化吸収され、その過程で生まれた身体にとって不要な成分は、尿や便として身体の外へ排出されます。この「身体にとって不要な成分」の中に、わたしたちの体臭を強く(臭く)する「ニオイ物質」が含まれています。
肝臓には、食事から採り入れた糖やたんぱく質、脂質などの栄養素を体内で使える形にして貯蔵し、必要なときにエネルギーの元として供給する働きの他に、アルコールや薬、老廃物などの有害な物質を分解し、無毒化する働きがあります。「ニオイ物質」は主にこのときにつくられ、尿や便として体外に排出されるのです。
血液のニオイ物質が体臭に
ニオイ物質を多く含んだ血液が肺に送られると、呼気にニオイが混ざって口臭が発生します。また、皮膚の表面に送られると、汗と一緒にニオイ物質が排泄されて体臭となります。これが、食生活と体臭が関係している主な原因です。
食事の内容によっては、比較的早い段階で口臭や体臭として排出されます。
わきが臭と食生活の関係
わきが臭の原因は、エクリン汗とアポクリン汗の2種類ある汗のうち、アポクリン汗の成分や皮脂を皮膚の常在菌が分解するときに出すニオイです。
肉類や乳製品など、動物性の脂肪やたんぱく質をたくさん摂取し続けていると、皮脂の分泌が高まるとともに、アポクリン汗を分泌するアポクリン汗腺の働きが活発になり、大きく成長してアポクリン汗をたくさん分泌するようになってしまいます。
皮膚の常在菌が好む皮脂やアポクリン汗の分泌が増えることで、皮膚の常在菌も活発になりますので、わきが臭も強くなります。
食生活がわきが臭に及ぼす影響として、人種間のわきが体質の人の割合の違いがあります。もともと狩猟民族であり、歴史的に肉類を主食としてきた欧米人の70%〜90%の人がわきが体質であるのに対し、もともと農耕民族で、穀物や魚介類を主食としてきた日本人のわきが体質の人の割合が、10%〜15%と少ないという事実からも、わきが臭と食生活の関係性がうかがえます。
体臭・わきが臭を強くする食事
動物性の脂肪が多い食品
お肉の脂身
動物性の脂肪が多い食品と言えば、やはり鶏肉、豚肉、牛肉などのお肉の脂身です。ここで注意したいのが、脂身が少ない鶏肉です。酸性度が強い食品ほどわきが臭を強くすると言われていますが、お肉の中でも鶏肉が一番酸性度が強く、次いで豚肉、牛肉の順に酸性度が弱くなり、牛肉は、鶏肉の約半分程度の酸性度だと言われています。
また、同様に「卵黄」も酸性度がとても高い食べ物ですので、1日に卵1個程度なら問題はありませんが、2個3個と食べ過ぎてしまうとわきが臭を強くする原因になります。
ラードやバター
ラードやバターのような動物性の油脂を多く摂取すると、皮脂腺やアポクリン汗腺を刺激してわきが臭が強くなる原因になります。
ラードを多く使用するチャーハンや餃子などの中華料理をはじめ、ポテトチップスや、ハンバーガーやフライドポテトのようなファーストフードにも油が多く使用されています。また、ケーキなどの洋菓子にも生クリームやバターがたくさん使われていますので注意が必要です。
リノール酸を多く含む植物性油
また、植物性油だからといって安心というわけでもありません。紅花油やひまわり油、なたね油、ごま油などには、血中コレステロールや中性脂肪を増やし、体内で酸化してニオイの原因となるリノール酸を多く含んでいるため、わきが臭を強くする原因になります。また、リノール酸は、マーガリンやマヨネーズ、スナック菓子などにも多く含まれていますので注意が必要です。
ごま油には、血液をサラサラにするαーリノレン酸が多く含まれていますので、少量であれば体臭の予防に効果があります。また、油の中では、リノール酸が少なく抗酸化作用が強いオレイン酸を多く含むオリーブオイル、中でもエクストラバージンオリーブオイルがお勧めです。
ニオイが強い食べ物や辛い食べ物
ニンニクや様々な香辛料、ネギなどのニオイの強い食べ物は、あなたも経験したことがあるかと思いますが、体臭や口臭を強くします。
また、キムチやカレーなどの辛い食べ物を食べると、身体が熱くなりたくさんの汗をかきます。辛い食べ物を食べてたくさんの汗をかくことで、体内や毛穴、汗腺にたまった老廃物を排出することができますので、食後に汗を流してしまえば体臭の軽減に効果があるように感じます。
ですが、辛い食べ物はわきが臭のニオイの元となるアポクリン汗腺を刺激して、活動を活発にしてしまうため、わきが臭が強くなってしまうのです。
お酒やコーヒー、タバコなど
お酒(アルコール)のわきが臭への影響は、日本酒やウィスキーよりも、ビールが最も強いと言われています。また、コーヒーやココアに含まれるカフェインや、タバコに含まれるニコチンもわきが臭を強くする原因になります。
体臭のために問題なのは、食事内容が酸性に偏ってしまうことです。これからご紹介する体臭・わきが臭を軽減する食事(アルカリ性の食事)を多く摂ることによって、バランスを取りましょう。
体臭・わきが臭を軽減する食事
アルカリ性食品
アルカリ性食品には、アンモニア臭の元になる乳酸を水と炭酸ガスに分解する働きがあるアスパラギン酸という成分が含まれています。また、このアスパラギン酸には、脂肪酸の不完全燃焼によって出るニオイ(脂肪臭)を抑える働きもあります。
わきが臭を軽減するアルカリ性食品
- 梅干し
- メカブ(ワカメ)
- 昆布
- こんにゃく
- シイタケ(きのこ類) など。
特に梅干しとメカブは、わきが臭の軽減にとても効果があります。
また、メカブには血液中の中性脂肪などを整える働きを持つエイコサペンタエン酸などの不飽和脂肪酸が多く含まれており、肉類の食事のメニューの中に取り入れたい食材です。
抗酸化食品
ビタミンCやビタミンE、DHA、ポリフェノールなどを多く含む抗酸化食品は、脂質の酸化を防ぎ、嫌なニオイを抑える働きがあるため、わきが臭の軽減に効果があります。
わきが臭を軽減する抗酸化食品
- 緑茶
- ゴマ
- バナナ
- プルーン
- アボガド など。
緑茶は抗酸化作用が非常に強く、手軽に摂取できるためとてもお勧めです。
豆類
豆類は、多汗症の治療においても摂取を勧められるほど、多汗症に有効な食材です。豆類に含まれるイソフラボンは、女性ホルモンにも有効に働きかけますので、美容のためにもうれしい効果があります。
わきが臭を軽減する豆類
- 大豆
- 小豆
- 黒豆
- インゲン
- 落花生 など。
豆類の中ではインゲンが最もアルカリ性が強く、次に大豆となります。
緑黄色野菜
野菜の中でも、特に緑黄色野菜には、汗の酸化を抑えて腸内環境を整える効果がありますので、わきが臭の軽減にも非常に有効です。
わきが臭を軽減する野菜
- ほうれん草
- 人参
- パセリ
- なす
- しそ など。
緑黄色野菜には、ビタミンCやE、βカロチンが豊富に含まれています。
まとめ「和食のススメ」
欧米化したわたしたちの食事
一度、ここ1週間の食事のメニューを振り返ってみてください。毎日の食事は、お魚や野菜中心ではなく、お肉中心になっていませんか?
日本では、古くは明治維新の頃から食事の欧米化が進んできました。器用な日本人は、欧米から入ってきたメニューに独自のアレンジを加え、自分達の舌に合うようなメニューを数多く開発しています。ファーストフードも含め、もはやわたしたちが欧米化した食事を口にしない日はないと言っても過言ではないかもしれません。
ですが、そのような食事が絶対悪なのではありません。お肉が好き、コーヒーが好き、タバコはやめられない、そんな人が、無理矢理それらを我慢してもストレスが溜まっていくだけです。そして、そのストレスも、体臭・わきが臭のためにはよくありません。
世界が認めた健康食「日本料理」
言っていることは分かるけど、どう取り入れれば良いのかなかなか難しい。そんなときは、日本食を意識して下さい。日本食は、とても栄養バランスのとれた健康的なメニューで構成されており、外国からも非常に注目されています。もちろん体臭を軽減する効果についても申し分ありません。
1日3食のうちの1食は必ず和食にする。または、1日3食日本食の日をつくるなど、体臭・わきが臭を軽減する上でも優れた「和食」をうまく取り入れましょう。
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