細菌性膣症(DV)の危険性とは

160706_1膣内に細菌が繁殖することで、おりものから魚臭いニオイがする細菌性膣炎。ちょっとした体調不良やストレス、デリケートゾーンの間違ったケアなどによって、膣内を清潔に保つ働きを持つ善玉菌であるデーデルライン桿菌が減少することが原因です。
何度も繰り返している人は煩わしく思っているけれど、軽く考えてはいませんか?本当は恐い細菌性膣炎の影響をご紹介します。

医学的に見た細菌性膣炎(細菌性膣症:BV)

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膣の自浄作用と腟内細菌叢(膣内フローラ)

健康な腟内にはたくさんの種類の常在菌が存在していますが、その75~95%を占めているのがデーデルライン桿菌だと言われています。デーデルライン桿菌は、他に乳酸桿菌、グラム陽性桿菌、ラクトバチルスなどと呼ばれています。

デーデルライン桿菌は、膣内のグリコーゲンを分解して乳酸を産生することによって、腟内をpH4.5以下の酸性に保っています。そうすることで、他の細菌の増殖や外部からの侵入を防ぎ、膣内を清潔に保つ働きをしています。このことを膣の自浄作用と言います。

このような膣の自浄作用が正常に働くためには、膣内に存在する常在菌のバランス(腟内細菌叢、膣内フローラ)が正常に保たれている必要があります。

細菌性腟炎の定義

細菌性膣炎は、医学的には細菌性膣症Bacterial vaginosisBVと呼びます。

まず、膣炎・膣症とは、異常帯下(おりもの)を主な症状とする疾患のことを言い、代表的なものには、性器カンジダ症膣トリコモナス症細菌性膣症があります。

性器カンジダ症や膣トリコモナス症が、特定の原因微生物によるものであるのに対して、細菌性膣症には特定の原因微生物はありません。

細菌性膣症は、ガードネレラ膣炎、ヘモフィルス膣炎、嫌気性菌膣症などと呼ばれていました。ですが、現在では、何らかの原因で腟内細菌叢のバランスが崩れることによって、デーデルライン桿菌が減少し、種々の好気性菌や嫌気性菌が膣内で異常に増殖している状態で、特定の原因微生物が検出されないものを、非特異性膣炎、または、細菌性膣症と呼んでいます。

 細菌性膣症は、原因菌が特定できない膣炎の総称です。

細菌性膣炎は原因菌の特定が難しいため、治療の方法に膣内の細菌をすべて取り除く、膣洗浄や膣錠(抗生物質)が選択されるのです。ですが、その際にデーデルライン桿菌も一緒に除かれてしまうため、非常に再発しやすい原因となっています。

細菌性膣症の原因

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細菌性膣症の原因、つまり、デーデルライン桿菌が減少して腟内細菌叢のバランスが崩れてしまう原因には、次のようなことが挙げられます。

 (風邪など他の病気での)抗生物質の使用

 過労や睡眠不足、過度のストレス

 高頻度の膣洗浄

 無理なダイエット(食事の栄養バランスが悪い)

 経口避妊薬の使用

 子宮内避妊器具(IUD)の使用

 肥満や糖尿病

 妊娠中や出産直後

また、細菌性膣症は、STD(性病・性感染症)ではないけれども、新しいSEXパートナーができた時や、複数のSEXパートナーを持っている人に多いという、アメリカ疾病管理予防センター(Centers for Disease Control and Prevention:CDC)の報告があります。

 彼との初めてのセックスの時は、ケアをしておくことをお勧めします。

新しい彼(SEXパートナー)ができた時は、それまでの生活パターンが変わることや、過度の緊張がストレスになっていることも考えられます。特に初めてのセックスでデリケートゾーンがクサイと思われてしまうのは、セックスレスの原因にもなってしまいますので、しっかりとケアをしておきましょう。

細菌性膣症の症状

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細菌性膣症の特徴

blanklongblanklong原因微生物:好気性菌、嫌気性菌(大腸菌、ブドウ球菌、連鎖球菌など)

炎症所見:なし。稀に排尿時の熱感や膣口周辺のかゆみをともなう。

以下の4つの項目のうち、3つ以上陽性であれば細菌性膣症と診断されます。

blanklongblanklongおりものの性状:さらさらとした均一な灰白色

臭い:アミン臭(魚臭)

おりもののph:5.0(4.5)以上

おりもの内の細胞:クルー細胞※の検出、デーデルライン桿菌の減少、球桿菌の増加

※ 周辺に細菌が数多く付着して辺縁が不鮮明になった膣の剥離上皮細胞

膣内細菌叢の乱れによって起こる細菌性膣症は、炎症症状が乏しく、おりものの変化にも本人は気づきにくい傾向にあります。セックスの際には、おりものから耐え難い強烈なアミン臭(魚臭)を発することから、パートナーの男性が最初に気づくことが多い特徴があります。

細菌性膣症の危険性

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細菌性膣症の原因菌は病原性が低く、痛みやかゆみなどの症状がないまま進行します。自覚できるのは不快な臭いだけですので、なんとか治したいと思っているものの、何度も繰り返す細菌性膣症をなかばあきらめてしまってはいませんか?

細菌性膣症の膣内は、細菌の繁殖によって膣内の酸性が中和されています。そのため、膣が本来持っている自浄作用が損なわれ、多くの感染症にかかるリスクが高まっている状態なのです。

細菌性膣症のリスク

blanklongblanklong 膣炎の原因微生物やSTD(淋病やクラミジア等)に感染するリスクが高まる。

 HIVに感染するリスクが高まる。

 自分がHIVキャリアの場合、パートナーをHIVに感染させるリスクがまる。

 骨盤内炎症性疾患(PID)リスクが高まり、不妊症や子宮外妊娠の原因となる。

 膣炎子宮頚管炎や絨毛膜羊膜炎などを起こすと、流産や早産のリスクが高まる。

 細菌性膣症の放置は、より重篤な感染症に感染するリスクが高まります。

妊娠中は免疫力が低下するため細菌性膣症になりやすく、アメリカ合衆国の調査では妊婦の約16%が細菌性膣症であると言われています。流産や早産の原因となるため特に注意が必要ですが、細菌性膣症の細菌検査(BVスコア)は公費負担対象外検査となっています。

細菌性膣症の治療法

婦人科での治療法

放置してしまうと様々なリスクがある細菌性膣症。ですが、実は細菌性膣症の治療法はまだ確立されていないのが実情です。膣内には非常に多くの細菌が存在しており、まだその全てが解明されているわけではありません。故に、原因菌を全て検査するのには非常に時間がかかる上に、それらの原因菌だけに効果がある抗生剤も存在しません。

現在の治療法は、カンジダ菌やトリコモナス菌など、原因微生物の特定ができなかった場合に細菌性膣症と診断され、膣洗浄やクロマイ膣錠、ハイセチン膣錠などの抗生剤で膣内すべての細菌を取り除く方法がとられています。

再発と薬剤耐性に注意!
膣錠による細菌性膣炎の治療は、膣の自浄作用を正常に戻すのではなく、善玉菌も悪玉菌も両方取り除いてしまいます。つまり、膣錠を使った後の膣内は、一時的に抵抗力がない状態になってしまいますので、非常に再発しやすい治療法になります。

また、症状が治まったからといって自己判断で膣錠の使用を中断すると、生き残った細菌は膣錠に強くなり、次回から効果がなくなってしまう「薬剤耐性」がついてしまいます。そうなってしまうと、最悪治療する方法がなくなってしまいますので、処方された膣錠は、症状が治まったと思っても最後まで使い切りましょう。

欧米で注目されている治療法

欧米では、細菌性膣症の治療法として、乳酸菌を多く摂取、または、乳酸菌を膣内に注入する方法が注目されています。これにより、本来女性のカラダが持っている膣の自浄作用の回復を促して、腟内細菌叢を整え、細菌性膣症を改善することができます。

酪農業が盛んなヨーロッパでは、早くから乳酸菌を用いた細菌性膣症の臨床実験が行われており、近年ではアメリカでも注目を集め、医学的エビデンス(証拠・根拠)が高い治療方法として積極的に推奨されています。

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細菌性膣症の民間療法について
よく効果があると言われているビオフェルミンやヨーグルト、リンゴ酢などの民間療法は、この乳酸菌療法に基づくものです。
ですが、専用の医療品ではないこれらの方法は、必ずしも全ての人に効果があるわけではなく、新たな細菌に感染する可能性も否定できません。細菌性膣症には、産婦人科医と共同開発した専門医療品「インクリア」がお勧めです。

 インクリアの参考記事:インクリア(inclear)デリケートゾーンの臭いをスッキリ解消!

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