近年増加している女性の薄毛。女性の抜け毛、薄毛の原因の一つが、間違った頭皮ケアによるものです。正常なヘアサイクルが保たれた、健康な髪の発毛・発育には、正しい頭皮のケアが欠かせません。
お肌の状態が分かりやすい洗顔には気を使っているけれど、同じ皮膚なのに、頭皮ケアは不十分な人が多いのです。
女性の薄毛を予防する正しいシャンプーの仕方をご紹介します。
頭皮ケアの重要性
女性の抜け毛・薄毛の原因には、ストレスや食生活、ヘアスタイルによる刺激など、様々なものがありますが、毎日のシャンプー、ヘアケアによる影響を見過ごすことはできません。
頭皮も顔と同じ皮膚。シャンプーは洗顔と同じくらい大切です。
シャンプーをする目的
毎日お風呂でするシャンプーの目的は、もちろん髪の毛についた整髪料や汚れを落とす目的もありますが、その主役は頭皮の洗浄です。
頭皮には当然毛穴が密集しています。正常なヘアサイクルのためには、頭皮が乾燥していても皮脂が多すぎても良くありません。顔のお肌以上に、頭皮の乾燥や皮脂過剰には注意が必要です。
シャンプーは毎日?1日おき?
もし仮に一日ノーメイクで過ごしたとしても、次の日に洗顔しなければ気持ち悪いですよね。
髪を洗わずに不潔にしていると、皮脂や汚れが毛穴を塞いでしまいます。さらに、それらの皮脂や汗、汚れに細菌が繁殖し、抜け毛・薄毛を引き起こす原因になります。
シャンプーは1日1回
逆に1日に2回以上シャンプーをすることは、頭皮のために必要な皮脂などを、残さず取り除いてしまうことになり、頭皮のためには良くありません。どうしても汗が気になるような場合は、ぬるま湯のシャワーで流すだけにしておきましょう。
正しいシャンプーの仕方
ブラッシング
お風呂に入る前に、濡らす前の乾いた髪の毛をブラッシングします。
ブラッシングというと髪のもつれを解くことが目的のように感じられますが、ブラッシングをするだけで、髪についた汚れやほこりをある程度落とすことができます。
最初にブラッシングをする事でシャンプーの泡立ちが良くなります。
ぬるめのお湯で流す
頭を洗うときに使うお湯は、少しぬるめの38℃前後のお湯を使います。
シャンプーを使う前に、ぬるめのお湯を生え際から頭皮に当たるように流すことで、頭皮が温まって毛穴が開き、毛穴に溜まった皮脂や汚れを落としやすくなります。頭皮と髪全体をまんべんなく濡らしましょう。
首元にシャワーを当てて温めることで、より頭皮の血行が良くなります。
シャンプーで洗う
シャンプーは、適量を一度手のひらで泡立ててから使います。シャンプーの適量は、ショートで1プッシュ、セミロングで2プッシュ、ロングで3プッシュが目安となります。お使いのシャンプーに合わせて調節して下さい。
シャンプーは、髪の毛を洗うのではなく頭皮を洗うことが目的です。
シャンプーの泡をつける
泡立てたシャンプーを、後頭部からえり足、耳の後ろ、生え際、頭頂部の順で、全体にまんべんなくつけていきます。普段から負担のかかりやすい頭頂部や生え際は、刺激が強くならないように最後につけます。
頭皮を洗う
ツメを立てないように、指の腹を使って頭皮を洗っていきます。生え際から頭頂部に向かって、手全体を小刻みに横に動かしながら上っていくように洗います。このとき、頭皮を動かすように洗うことで、マッサージ効果を得ることができます。
下図のように、エリアを区切って洗い残しのないように洗いましょう。
すすぐ
はじめと同じように、ぬるめのお湯を使って泡をすすぎます。
頭を洗う中で、このすすぎの行程が一番重要と言っても過言ではありません。髪の毛の泡が取れたら終わりだと思っているようなすすぎ方は、頭皮に様々な悪影響を与えてしまいます。
上を向いて生え際から流す
下を向いて流すと、泡がたまって流し残しができやすいので注意が必要です。手が届きにくい場所は、首を傾けることですすぎやすくなります。
シャワーを頭皮に垂直に当てる
洗うときと同じように、指の腹を使って頭皮を動かすようにすすぎます。シャワーを垂直に当てる事で、地肌をしっかり流すだけでなく、適度な刺激が頭皮の血行を促進します。
エリアを区切ってしっかりすすぐ
髪を洗うときと同じように、生え際から頭頂部、後頭部と、エリアを区切って流し残しがないようにすすぎます。耳周りやえり足は、特にシャンプーが残りやすいところですので、特に注意して流しましょう。
2度繰り返す
一通りすすぎが終わったら、頭皮に泡が残らないように、もう一度最初からすすぎを繰り返します。すすぎの時間は、洗うのにかけた時間の3倍を目安にしてしっかりとすすぎましょう。
頭皮に残った泡(シャンプーの成分)は、頭皮トラブルの原因になります。
十分にすすぐことができたら、しっかりと水をきってトリートメントに進みます。
トリートメント
トリートメントを手のひらにとります。セミロングの方で約2〜3cmを目安に、髪の長さに合わせて調節します。トリートメントは髪をケアするものですので、頭皮に直接つかないように注意しましょう。
トリートメントは、髪の表面と内部の状態を整えるためのものです。
トリートメントのつけ方
トリートメントはダメージを受けやすい毛先からつけていきます。比較的ダメージが少ない根本付近は最後につけることで、ダメージ量に合わせて必要な量をつけることができます。
髪全体につけることができたら、シャンプーブラシなどですきながらトリートメントを全体になじませます。ナチュラル系のトリートメントをお使いの場合は、少し時間をおいてあげることで成分が髪に浸透して効果が高まります。
トリートメントのすすぎ
石油系合成界面活性剤や人工シリコン(メチコン・ジメチコン・シクロメチコン等)、化学合成添加剤などが添加されているトリートメントは、残っていると頭皮や髪の健康上よくありません。しっかりと洗い流します。
十分にすすぐことができたら、しっかりと水をきってタオルドライに進みます。
タオルドライ
濡れた髪の毛は特に痛みやすくなっています。タオルドライに入る前は、特に長い髪の場合、しぼるようにねじったりせずに、やさしく握るように水気を落としてください。
タオルドライは、地肌をしっかり拭くことが大切です。
ゴシゴシこするのは厳禁です。頭皮をとらえて大きく揉むように動かしてタオルに水分を吸収させます。髪の毛や毛先もこすらずに、タオルで押さえるように水分を吸収させましょう。
タオルドライの仕方しだいで、その後のブローの時間や仕上がりが変わってきます。
ブロー
ドライヤーでのブローの仕方を間違えると、頭皮から必要以上に水分を奪い去ってしまうことになります。髪から15cm程度離して、同じ場所に2秒以上温風をあてないように、ドライヤーを動かしながら乾かしていきます。
後頭部の根元から
ブローを始めるときは、毛が多くて太い後頭部の根元から順に乾かしていきます。髪の中間から毛先にかけては、指で毛束をつまんで持ち上げて、少し引っ張り気味に毛先に向けて乾かすと、髪の表面に魚の鱗のように存在するキューティクルが綺麗にまとまります。
ドライヤーの冷風を使う
ほとんどのドライヤーは、温風と冷風の2種類の風が出るようにつくられています。ですが、早く乾かしたいからと、強い温風を当てて乾かして終わりという方も多いと思います。
濡れた髪は、髪表面を覆っているキューティクルが開いていて、とても傷つきやすい状態です。ですが、温風で乾かしているだけではキューティクルは開いたままです。
通常は、ドライヤーで熱せられた髪が冷めていくのに従って閉じていきますが、冷風を当てて一気に冷やすことで、キューティクルが引き締まり、髪にツヤが出て手触りも良くなります。
温風で8割程度乾かした後は、冷風で仕上げるようにしましょう。
頭皮のケアは、1日1日の積み重ねで差が出てくるもの。
最初のブラッシングから、シャンプー、すすぎ、トリートメント、タオルドライ、ブロー。髪を乾かすまでがシャンプーです。最後まで気を抜かずに丁寧なシャンプーを心掛けましょう。